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362 あれから20年 食の備えは変わったか「備えあれば」

一般社団法人日本災害食学会 副会長 別府 茂(第15話)

 
中越地震のころは、食料の備蓄は3日分と言われましたが、
今は最低3日分、推奨7日分に変わりました。
また、非常食だけでなく、ローリングストックで買い置きしている食品も
対象になるため、備蓄量は増加しているのではないでしょうか。
一方、家庭によって量は異なり、1日分から7日以上と違いがあるようです。

大規模な災害が発生すると、見直しの機運が高まりますが、
普段は忘れがちになるようです。

防災の話題が「災害は備えあれば憂いなし」で締めくくられることがあります。
この格言のもとは左丘明(さきゅうめい)が「春秋左氏伝」に
「安きにありて危うきを思う。思えばすなわち備えあり。備えあれば患えなし。」
と紀元前480年頃に記したと平井敬也著の
「天災人災格言集,興山舎,2012」で紹介されていました。
すでに2500年間、使われているようです。

中越地震での被災生活では、備蓄量も買い置き量も少なく、
自らの対策不足を恨めしく思いましたが、
そのとき「備えた分だけ 憂いなし」ではないかと感じました。
必要数を考え、少しずつ備えを増やしていく必要がありそうです。

一般社団法人日本災害食学会 副会長 別府 茂(第15話)