· 

334 高校1年生だった私の体験(14)震災1ヶ月後

元 川口きずな館スタッフ・旧川口町武道窪出身 赤塚千明(旧姓 渡辺)(第14話)

 
仮設住宅が泉水小学校の校庭に完成して、
12月の上旬に入居することができた。

両親や祖父母と一緒に家族7人で住むために2棟借りたが、
祖父母は環境の変化を嫌って
実家前に建てられたプレハブに住み続けることになった。
結果、2棟借りた内の1棟(3室)は子供達3人の1人部屋として使わせてもらい、
もう1棟は両親が住み家族全員で食事をする場所になった。

仮設住宅ができたことによって、
普段ならすぐに遊びに行けない距離に住む幼馴染たちの家が、
いくつも同じ校庭内に出来た。

その頃には川口から小出に通学できるようになり、
学校帰りは越後川口駅から歩いて泉水小学校の仮設住宅に帰った。
違う制服を来た高校生たちが、
徒歩やバスや原付バイクを使って同じ場所に帰ってくる。
それぞれの仮設に帰る前に会うと
「最近どう?」とよく長話をするのが楽しかった。

ある日玄関から声をかけられ(インターホンは無い)
長野から来たと言う方がりんごをたくさんくれた。
ボランティアに来た人のようだった。

ネットオークションで買い物をした時、
住所に「仮設住宅」と書いたところ状況を察した相手方から
お見舞いの言葉をもらった。
意外と楽しんでいるので大丈夫、ありがとうございますと返事をした。

元 川口きずな館スタッフ・旧川口町武道窪出身 赤塚千明(旧姓 渡辺)(第14話)