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333 被災現場の人と人(その5)

中越市民防災安全士会 会員 吉原 昌隆(第7話)

 
発災から3日目の朝、川口町役場前本部で
「ここも大変だが、小千谷市の被害も大きそうだ。
道を探しながらだが、小千谷の本部に行く署員と一緒に行かないか」
との声掛けに、軽自動車で小千谷市役所を目指した。

最初に「坂塚の坂」、
道路中央付近までの亀裂と左の崖、
瀧澤聡消防署員と二人、登りきるまで無言であった。
川口町天納地区の斜面崩壊、
東小千谷地内の道路段差被害に後戻りを繰り返し、市役所本部へ。

小千谷市役所前の駐車場は埋まり、人の波、
入った細かな報告の暇もなく、掛けられた声で物資搬送に従事した。
そして、昼前に災害対策本部に呼び出される。

本部の一隅、自衛隊の本部で、
陸上自衛隊第2普通科連隊阿部金二連隊長(高田駐屯地)から
「川口にはバイク隊が入っただけ、車両の導入路が分からない。
貴方が来た道で川口まで案内して欲しい。」と。

小さなジープに隊員2名と後部座席横座りの自分で、川口町を目指した。
今朝来た一筆書きの道は、瀧澤消防署員の大きな尽力の賜物でもあった。
途中、川口町天納地区の三叉路で、複数の自衛隊車両とすれ違う。
後日、小千谷市東山地区からの避難救出車両と知った。

中越市民防災安全士会 会員 吉原 昌隆(第7話)