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321 ガス水道局での災害対応(クレーム対応)

おぢや震災ミュージアムそなえ館 堀澤淳司 インタビュー(第6話)

 (中越地震発生当時 小千谷市ガス水道局主任)

 

クレームの内容として「水がこない」「給水車が来ない」というのが
やっぱり一番多かったですね。

給水車に余裕があるときは1日2回とか3回とか行けた場所もあったと思うんです。
加えて時間もある程度毎日同じぐらいの時間で行けてたんです。
それが給水車の台数が増減している中で少し到着時間が遅れてしまう。
そうするとまた「今日はまだ水来てない」おかしいなあと。

例えばある避難所の方から「水が来てない」と苦情が来ました。
私はAという水道局の方に「そこにも行ってください」とちゃんと計画をお願いしている。
そのAという水道局の方が水を浄水場に取りに戻ってきたときに、
「すみません、この避難所からまだ水が来ていないという連絡来たんですけど」
って話をして
「さっき行きましたよ」「ですよね。何時ぐらいですか」
「△時ぐらいに行きました」「ですよね」

またそれを確認してそのクレームをよこした方に
「先ほど確認を取りましたら△時に行ったと」
「行ったと言ってるんだけど実際に来ていないじゃないか」
らちがあかないので私は何回かその避難所に行って、
本当はあんまりそんな時間さきたくなかったけど、
避難所に行ってその人と対面でですね、話をしに行きました。

周りの避難されている方に「今日水来ました?」と聞くと
「来ましたよ」と言ってるんです。
これはウソをついたとは思いたくないんですが、
一回来ているのはクレームをした人も分かっていて
「もっと水をよこせ」という意味で言ってたのかもしれないし、
たまたま行った時間にその方がいらっしゃらなくて
受け取れなかったということかもしれないです。

「水が来ない」というクレームがほとんどですよね。ほとんど。
「何時になったら来るんだ」っていう。
お話をすると大体の方は「まあ仕方がないな」と納得いただけるんです。
これは水に限らずだんだんとわがままになっていくという部分は正直あると思います。
もちろん不安な気持ちとかイライラする気持ちがずっと地震の発生から溜まって溜まって、
それが怒りとしてぶつけられるというのはあったと思うんですけれども。
でも理由をしっかり伝えることでほとんどの方は
「わかった。もうちょっと待つよ」と言ってくれたりしました。(つづく)

おぢや震災ミュージアムそなえ館 堀澤淳司 インタビュー(第6話)

 (中越地震発生当時 小千谷市ガス水道局主任)