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297 高校1年生だった私の体験(11)震災1週間後

元 川口きずな館スタッフ・旧川口町武道窪出身 赤塚千明(旧姓 渡辺)(第11話)

 

高校受験まで通っていた塾の先生から電話があり、
私の地元が川口だと知っていたので、
欲しい物があれば送ると言われた。
靴下や下着が無く困っていることを伝えると本当に送ってくれた。
女性の先生だったのでためらいなく伝えることができた。
中学も卒業していてもう関わりがないと思っていたのに
気にかけてくれたことがとても嬉しくてお礼の電話がとても長くなった。

私の実家は養鯉業だったのだが、
県外のお客さんがプレハブを滋賀県から運んできてくれた。
工事現場で使う「スーパーハウス」だったが、
トイレやお風呂まで付いて普通に日常生活ができる豪華版だった。
そのプレハブが実家の脇に設置され、
仮設住宅が出来るまでそこで暮らした。

被災して六日町の温泉に避難していた祖父母も戻ってきた。
二家族、計11人が寝泊まりするにはさすがに手狭で、
食事や風呂は水場のあるプレハブ、寝るときは作業小屋にも分かれて寝た。

元 川口きずな館スタッフ・旧川口町武道窪出身 赤塚千明(旧姓 渡辺)(第11話)