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275 ライフラインの被害と災害時の食

一般社団法人日本災害食学会 副会長 別府 茂(第9話)

 

中越地震では電気,ガス、水道等のライフラインが突然に、一斉に、
広範囲に途絶し、被災地にでは、いつ復旧するか分からない状況が続きました。
小千谷市では、結果として電気が95.2%復旧するに9日、
水道では復旧まで83日、ガスは64日でした。

食べるには水かお湯が不可欠です。
乾パンやククラッカー、お菓子などは包装容器の封を開けるだけで
食べることができますが、飲み込むには飲み水が必要です。
水を注いで食べることができる食品にはアルファ化米がありますが、
インスタント麺にはお湯をいれる必要があり、
パックご飯は湯せんする必要があります。

このように食品だけ被災地に届いても、
水やお湯がなければ食べることはできませんでした。
逆に、予め水とお湯を作るための燃料やコンロの備えがあれば、
その後に何が届いても食べることができることを実感しました。
カップ麺が届いたのに、お湯がないため食べることができないという話は、
今でもあるようです。

一般社団法人日本災害食学会 副会長 別府 茂(第9話)