· 

241 中越地震、その時何が(その5)

株式会社夢プロジェクト 坂上明和(第5話) (元株式会社TeNYサービス 取締役)

 

神戸市内に取材に出ると、そこには現実とは思えない風景が目に飛び込んできた。

巨大なビルが倒れ、道を挟んだ反対側のビルに寄りかかっている。
ビルの真ん中の階がなぜか潰れていて、窓ガラスがことごとく砕け散り、
下の歩道にはガラスや壁のコンクリートが散乱している。
生田神社が見る影もなく倒壊し、屋根だけが見えている。
高架となっている高速道路の継ぎ目が壊れ、宙ぶらりんになっている。
極めつけは、阪神淡路の震災風景で必ず出てくる高速道路の高架の横倒し。
凄まじさに言葉を失う。

避難所に向かった。学校の体育館は避難者でごった返している。
避難生活への不満、度重なる取材へのストレスが影響していることもあるのだろうか、
取材班は関西弁でどやしつけられることもしばしば。
とはいってもこちらも現場を取材しなければ仕事にならない。
頭を下げながらインタビューのお願いに回ることになる。
(明日へ続く)

【執筆】
 株式会社夢プロジェクト 坂上明和(第5話)(元株式会社TeNYサービス 取締役)