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225 第8話 地震から水害へ

東川口町会 庶務 上村光一(第11話)

 

中越地震の後、誰から聞いたかも噓か真かも定かではないが
「こんげな地震が150年前にもあったがんだと」と聞かされた。
確かに川口町の十八番と名のついた裏山の斜面は大きな地滑りの痕跡を示している。

東川口町会に参画する3年前の平成23年に新潟・福島豪雨災害が発生している。
東川口の一部では内水氾濫による床上浸水が発生し、
魚野川増水に伴う避難指示が発令された。
町会の庶務となった後も平成29年に内水氾濫がたてつづけに発生し、
魚野川では堤防の一部決壊も発生している。

地域の防災意識の向上に150年に一度の地震災害をテーマとするか、
頻発する大雨による水害をテーマにするか誰が考えても答えは後者であろう。
水害をテーマに検討会や訓練を突き進めた。

最初は手探りではあったが中越防災安全推進機構や長岡技術科学大学など
多くのかつ強力な支援を得て現在に至り、
縁あってこの中越大震災20年メルマガに投稿している。

これ以上書き進めると本来の中越大震災から話が大きく外れて事になるので、
今回はここで筆を置くことにするが、町会としての防災活動の目的は
「自ら考えてその時々にあった最善の行動をする」という
防災の原理原則を醸成することであり、対象とする災害を選ぶものではない。
(おわり)

 

【執筆】
 東川口町会 庶務 上村光一(第11話)