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223 中越大震災の体験-外国籍市民の声-(その2 中国の方)

「母国語でつづる中越大震災の記憶」より抜粋紹介(第2話) 協力:国際交流センター「地球広場」

 

地震から一年が過ぎましたが、今思い起こしても、依然として記憶に新しく、
特に地震の少ない国の出身である私たち中国人にとっては、
なおのこと深く記憶に刻まれました。

私は2005年7月に来日しました。
3ヶ月あまりが過ぎ、一生懸命勉強してだんだんと慣れてきた矢先に、
日本でもまれに見る地震を経験しました。

これまで経験したことがなかったために、
その時は走る車中にいて、地震だとはまったく分かりませんでした。
車が壊れたのだと思い、会社に引き返してはじめて知りました。
この時、大きな余震がひっきりなしに襲い、落ち着いて立っていられず、
ただただ不安で恐ろしかったです。

会社の向かいの一家が一緒に避難するのを見るにつけ、
なおのこと親戚や故郷が恋しくなりました。
すべてが早く過ぎ去ってほしい、
もう誰の心も傷つけたりがっかりさせないでほしいと心の中でずっと祈りました。

余震が小さくなった頃、社長は私たちを中国人が住む会館に送ってくれました。
その時、私たちは会うなり分かれて久しい身内のように抱き合って号泣しました。
会館には住みたくありませんでした。
責任者は私たちを避難所に連れて行ってくれ、避難所で不安な11日間をすごしました。
日本の各方面から配慮と支援を得て、食べ物や、日用品や住居もすべてそろっていて、
日本人の素養と自ら進んでする資質を感じました。

私たちのような異国にいる外国人にとっては、
多くの助けをもらうと同時に多くのことを学びました。
もうこのような地震が起きないことを願っています。
一度でも忘れることができません。

【執筆】
 「母国語でつづる中越大震災の記憶」より抜粋紹介(第2話) 協力:国際交流センター「地球広場」