長岡工業高等専門学校 非常勤講師 五十嵐一浩(第6話) (前三条市立第四中学校 校長)
震災の半年後、平成17年4月から復興学習「太田学」がスタートしました。
指導者には小森ケン子先生、そして藤林校長先生のもと、
全教職員が一つになって取り組みました。
最初にふるさと太田はどんな場所なのだろうか、という学習から始めました。
なぜなら、私たちが目指したものは復旧ではなく復興、
つまり震災前より活気ある地域になる事を目指したからです。
この学習の特徴は体験と概念理解を反復させ、机上の空論にならないことと、
子ども自身が課題を考え、それを子ども自身が解決し、
そこで生まれた新たな課題を解決しながら進めていくものです。
教師はその思考を支援することに徹し、教えることは極力控えました。
その学習成果を地域の方に集まってもらい発表しました。
平成17年10月23日、まさに震災1年後のことでした。
発表会後「大人がみんな下を向き、途方に暮れる毎日を過ごしている中、
中学生が明るい希望を示してくれた。こんなに元気づけられたことはなかった。」
と涙ながらに地域の方が話してくれたことは今でも鮮明に覚えています。
この学習は新潟日報社、新潟教弘主催特色ある教育実践優秀賞受賞、
兵庫県、(株)毎日新聞社、(公財)ひょうご震災記念21世紀研究機構が主催する
1.17防災未来賞「ぼうさい甲子園」ぼうさい大賞を受賞しました。
さらに、新潟日報事業社より「中越地震に負けない太田っ子」として出版されました。
【執筆】
長岡工業高等専門学校 非常勤講師 五十嵐一浩(第6話)(前三条市立第四中学校 校長)