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186 中越地震から半年間が復興の正念場だった(その4)  -新潟県「中越大震災復興基金」の設立-

公益社団法人中越防災安全推進機構 理事長 中林一樹(第11話)

 (新潟県中越大震災20年プロジェクト 実行委員長)

 

阪神・淡路大震災から9年9か月後に発生した二度目の最大震度7の中越地震に、
内閣府を中核とする新たな災害対応体制を講じていた国も、最初の本格対応で、
直後に非常災害対策本部を起ち上げ、全面的にバックアップする体制を講じました。

一方、新潟県知事と被災自治体の市町村長は、
阪神・淡路大震災と同様に中越地震復旧・復興特別措置法の制定を要請しましたが、
実現はされませんでした。

しかし、阪神・淡路大震災の復興でも大きな役割を担った「復興基金」が
2005年3月1日に設置されました。全国で4例目の基金でしたが、
特別法なら使用枠が決められてしまう“ひも付きの補助金”に対して、
被災地で“自由に活用できる復興基金”は、
中越の被災地域社会に寄り添った復興を実現するカギとなり、
有効かつ効果的に中越地域の特徴的な復興の推進を支えたのです。
(その5へつづく・明日配信)

【執筆】
 公益社団法人中越防災安全推進機構 理事長 中林一樹(第11話)

 (新潟県中越大震災20年プロジェクト 実行委員長)