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167 救援物資のバザー販売

一般社団法人日本災害食学会 副会長 別府 茂(第6話)

 

中越大震災では、救援物資の需要と供給の面では、
タイミングも、その量も大きくバランスを欠いていました。

救援食料は不足するより、余るほうが避難者にとっては良いのかもしれませんが、
小千谷市は12月26日に市内3ヶ所で支援物資バザーを開催し、
需要のなくなっていたアルファ化米、乾パンなどを含む食料、日用品雑貨などを
市民を対象として販売しました。  

当日、販売所を覗いたところ、他の自治体からの救援食料である
アルファ化米50食入りの箱に500円と破格な値段がついていました。

既に元の生活に戻りつつある時点では、残りの賞味期間が少ない事もあり、
1食当り10円でも人気はないように見えました。
このことは、非常食といわれる食品は、3年、5年という長期間の備置が求められる一方で、
避難者にとっては普段の生活では食べないものとされ、
おにぎりや菓子パンが届くと需要を失っているのではないかと感じました。

非常食は、蝉よりも命が短くて良いのか? 
普段の生活で非常食を美味しく食べる工夫が必要と強く思いました。

【執筆】
 一般社団法人日本災害食学会 副会長 別府 茂(第6話)