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156 第6話 東川口町会への参画

東川口町会 庶務 上村光一(第9話)

 
家族と一緒に新居に居住し、自宅から小千谷市の事業所に通勤する生活が3年間続いた。
この間に中越沖地震が発生し対応に追われ、ひと段落したころ、
東京への転勤辞令を受けとった。単身赴任となった。

単身赴任もそう悪くはなかった。
週末に新幹線で帰宅し家族に会い、また東京に向かった。
仕事も充実し、東京下町の夜間俳諧も楽しんだ。
単身赴任は4年続き、この間に父が他界した。
中越地震を契機に川口町に戻り、短い間だったが一緒に暮らしたことが
父への唯一の親孝行だったかもしれない。

東京に戻って3年、定年の文字が見えて来たところに思いもよらぬ事態が起こった。
東日本大震災が発生した。対応に追われた、会社が存続しないかもしれないと思った。
弱音を吐くと、妻から「アンタ一人ぐらい、私が何とか食わしてやるさ。
とりあえず、今はがんばって」と言われた。
空威張りでも嬉しかった。

単身赴任が解消される頃、
現東川口町会会長から「町会の庶務をやってくれないか?」との誘いを受けた。
「どの程度の仕事のボリューム感ですか?」と尋ねたが会長は明言を避けた。
今、思えば名言を避けた理由がわからぬでもない。
とりあえずやって見ることになった。
東川口町会への参画が、私の防災活動の入口を開いた。

【執筆】
 東川口町会 庶務 上村光一(第9話)