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121 何かを与える支援から引き出す支援へ

NPO法人多世代交流館になニーナ 副代表 佐竹直子(第4話)(当時は代表):

 

中越大震災が起きる前、私は長岡子育てライン「三尺玉ネット」を立ち上げていました。
子育てのよろずやをテーマに、子育て環境の向上とネットワークづくりを目指す市民団体です。

中越大震災の2年度、中越復興市民会議からのわずか5万円の支援金をもとに
「おしえておばあちゃん!長岡の郷土料理」というイベントを企画・運営しました。

三尺玉ネットのメンバーは、転入・転勤族の母親が多く、
家庭で子どもに地元ならではの料理をつくってあげたいと思っていました。
そこで山古志のおばあちゃん達から「ちまきづくり」を教えてもらうイベントを開催したのです。

結果的にこれが大成功し、多くのことを学ぶことができました。
私たちの満足感はもちろんのこと、おばあちゃん達も喜んでくれたのです。

震災のあと、次々と来る支援物資とボランティアさん達を前に、
自分達の生き甲斐、存在価値を見つけることができなかったようですが、
若いお母さん達に料理を教えることで、自分たちも人に対してできることがあることに気づいたのでしょう。
これこそが山古志のおばあちゃん達が潜在的に渇望していたもので、元気の源となりました。

何かを与える支援から引き出す支援へ。
支援されている人から上手に何かを引き出して、
得意や秘めた特技を活かすことをが復興につながることを実感させられる出来事でした。
これが後々の活動の基点となりました。
(つづく:明日配信)

 

【執筆】
 NPO法人多世代交流館になニーナ 副代表 佐竹直子(第4話) (当時は代表)