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120 想像すること

長岡技術科学大学大学院(修士2年) / 雪カキスト 久門優介:

 

私は現在、長岡技術科学大学で雪(主に除雪)の研究をしています。
除雪の安全や技術、担い手確保に向けた取り組みを行っているご縁で、執筆のお話を頂きました。
当時、私は中学1年生で地元の山口県に住んでいたので、直接震災を経験したわけではありません。

震災の日は、中学校の文化祭の準備期間中でした。
中越地震のことを知り、私たちのクラスでは文化祭で行う出し物に合わせて、
来場者から募金を集めて送ろうということが決まりました。
印象的だったのが、先生主導ではなく、
生徒たちが率先して募金活動することを決め、取り組んだということです。

思い返せば中越地震の前月、2004年9月10日の台風18号が山口県に直撃したとき、
私は人生で初めての停電を経験しました。
同級生たちの家庭もほとんどが停電していました。
洗濯機や冷蔵庫などの家電はもちろん使えず、夜は家族でロウソクの火を囲んで食事をしたり、
トランプをしたりして停電の3日間を過ごしました。

そして、翌月の中越大震災。
テレビで地震の状況や、いつまで続くか分からない被害の中で
避難所生活をしている人たちの様子を見ました。
翌日のクラス会では、

「自分たちの被害は数日間の停電だけだったが、中越地方の人たちは今、
 自分たちが経験したよりももっとつらい思いをしている、
 だから自分たちにできることをしよう」

と皆が同じ思いを持ち、一致団結して募金活動を行ったのでした。

人は、悲しくつらい経験をしたら、他の人のつらさを想像して優しくなれる、
そう思える経験だったと今振り返り、これからも大切にしていきたい気持ちだと思っています。

 

【執筆】
 長岡技術科学大学大学院(修士2年) / 雪カキスト 久門優介