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110 冬まで1ヶ月。復旧は間に合うか(第5回)

長岡技術科学大学 教授 上村靖司(第5話)  (新潟県中越大震災20年プロジェクト 副実行委員長) :

 

1月14日、雪の災害を幅広く網羅し、一般の方にもわかりやすく書いた「速報」は、
当日のうちに新聞社のネットニュースとなったのを皮切りに、
翌日の新聞各紙を賑わせ、その後、各所に大きな反響を呼びました。
雪害の多様性から連載記事として取り上げた新聞もあり、
12月下旬まで、ほぼ毎日何らかの形で報道されました。

速報発表から2週間、11月終わりごろには当初我々が抱いていた
雪害に対する恐怖感と残された時間に対する絶望感は薄れてきました。
その理由は復旧の速さです。

多くの主要幹線道路は、応急復旧段階から本格復旧段階に入っていました。
山古志村の土砂崩れダムでも、春先の大量の雪解け水に対応できる水路が
完成しつつありました。
一方、地震で傷んだ住宅の補修はなかなか進みません。
12月に入り、冬はすぐそこまできているのに、り災証明の発行に手間取っていました。
証明が発行されても大工さんの人手が足りません。お金の問題もあります。

当初住民は、住宅再建支援制度や応急補修制度といった
公的支援に希望を抱いていたのですが、役所で説明を聞くと、
「住宅本体には使えません」、「所得制限があります」、
「全壊家屋には補修制度は使えません」など、
生きたお金として使えないということを思い知らされるのです。(つづく)

【執筆】
 長岡技術科学大学 教授 上村靖司(第5話)

 (新潟県中越大震災20年プロジェクト 副実行委員長)