私は当時、長岡市消防本部に勤める消防士だった。
風邪で熱(38度を超えてたような…)があったが、
両親と夕飯を一緒に食べる約束をしていたので
妻と生後2か月の子どもと陸上競技場側の実家へ。
両親は不在。食事前にシャワーを浴びていたら時に地震が発生!
幼いころから刷り込みや学校での避難訓練等のお陰で、
これまで地震時には、机の下や硬い物で頭を守るなど、
揺れたらすぐに身を守る行動ができた。
しかし、あの日はこれが地震だと理解するまでに数秒かかるほど、
体験したことのない揺れで、動けない。
理解した瞬間、「家族が!」裸のまま、必死に這うようにしてリビングへ。
すると、妻が生後2か月の子どもを抱きかかえ、食器棚の前で動けなくなっていた。
声がけをして移動を促してから、体感で2、3秒…。
その食器棚が倒れた。
あと数秒遅かったら…と、血の気が引いたのを今でも鮮明に覚えている。
【執筆】
NPO法人ふるさと未来創造堂 常務理事兼事務局長 中野雅嗣(第1話)