被災地の真ん中にあるコミュニティFMからの災害放送。
それは“リスナー=被災者”を意味する。
生活情報の中には電話番号や時間など数字が多く使用される。
当時リスナーからの問い合わせで、数字の聞き間違いも多くあった。
0は「レイ」か「ゼロ」か。正確な読みは「レイ」。
090「レイ・キュー・レイ」、0258「レイ・ニー・ゴー・ハチ」となるが、
実は普段あまり使わない表現だ。
7は「シチ」か「ナナ」か。日数や日付、時間、人などの助数詞が付く場合は
「シチ」になるようだが、「シチ」は「イチ」と間違いやすい。
当時FMながおかではあえて、0「ゼロ」と7「ナナ」を使用した。
その方がわかりやすいから。当然現在の通常放送では使用しない。
中越大震災がきっかけで始まった「地球広場多言語放送ワールドカフェ」の
「やさしい日本語」にはその名残があり、電話番号を繰り返し伝えるときに
1回目「0258」を「レイ・ニー・ゴー・ハチ」、2回目は「ゼロ・ニー・ゴー・ハチ」
と読んでいる。
リスナー全員が被災者になるのがコミュニティFM。
今ではその答えで良かったと思っている。
【執筆】
FMながおか 常務取締役放送局長 佐野 護(第2話)
(前長岡市危機管理防災課長)